こんにちは。竜也です。読んでいただいて、ありが湯ございます。
蔵王温泉は私のお気に入りの温泉の一つで、スキーシーズンも含めると、かなりの回数を訪ねているのですが、今回宿泊する蔵王温泉の「和歌(うた)の宿 わかまつや」(以下わかまつや)は、ずっと泊まってみたいなぁと思っていた憧れの宿で、念願かなっての宿泊となりました。
山形県というと斎藤茂吉ゆかりがあちこちにあるのですが、わかまつやは本当にド本命の斎藤茂吉ゆかりの宿でもあります。わかまつやの主人と斎藤茂吉は親戚関係にあたり、実際によく宿泊されていたようです。
比較的小規模な宿が多い蔵王温泉の中で、わかまつやは中心部から若干離れたところにある中規模のグレード高めの宿になります。
・2022年9月26日訪問
蔵王温泉への道のり
今回の旅程では、前日は山形の湯田川温泉に宿泊していて、そこから高速バスの 鶴岡-山形を結ぶ路線で移動しました。高速バスの中にはトイレもあって快適でしたね。
湯田川温泉から鶴岡駅までは20分ほど、鶴岡から山形へは約2時間ほど。山形駅から蔵王温泉へは30分ほどという移動距離です。道中、山形駅で食事をしたりカフェでのんびりしてから温泉に行ってもよいかもしれません。私は山形駅の駅ビル、エスパルにあるスターバックスコーヒーで軽く仕事をしてから蔵王温泉に向かいました。
前日の湯田川温泉の様子はこちら
ちなみに東京から蔵王温泉に行くときは、山形新幹線で山形駅まで3時間ほど。そこから30分バスに乗れば蔵王温泉に到着です。何ぶん乗り換えが一回しかないので、距離と比してかなり近く感じます。
下手に関東近辺のアクセスの悪い温泉地に行くより、蔵王の方が楽に行けてしまうんですよね。泉質が近い草津温泉の方が全然距離は近いのですが、感覚的には同じくらいの距離感です。ほとんど新幹線の中で作業したり本読んでたりすればいいので。
みんなもっと山形に行こう!
さて、チェックインよりちょっと早めの14:00に、蔵王温泉バスターミナルに到着です。バスターミナルは、写真の通りしっかり屋根がついた立派な建物になっていて、バスの待ち時間なども天気が悪くても濡れることなく時間を潰せるようになっています。
蔵王温泉ですが、山形駅からバスでサクッと行けてしまうのですが、案外、標高が高いです。標高は公式で880mあります。軽井沢の標高が940mなので、それよりちょっと低いのですが、緯度が北の方にあるので、かなり寒いです。実際、バスターミナルの建物を出ると気温がぐっと下がるのを感じました。
蔵王温泉わかまつやにチェックイン。建物と部屋の様子。
さて、バスターミナルから5分ほど歩くと、わかまつやが見えてきます。実は、こちらのわかまつや、バスターミナルに到着して連絡をすれば送迎してくれるのですが、近いのと、時間も早かったので今回は歩かせてもらいました。
わかまつやのロビーに着いた時点で14:15分くらいでチェックインの15:00より大幅に早い時間です。とりあえず荷物を預けて、外湯の温泉でも行こうかなと思っていたのですが、なんと到着したら部屋の準備ができているということでチェックインさせてもらえました。嬉しいサービスですね。
後で、公式のWebサイトを確認したら公式Webサイトから予約したお客さんは14:00チェクインさせてくれるみたいですね。私は今回、一休からの予約だったのですが特別に適用してくれたようです。ありがたい。
さっそくお部屋へ。広くてきれいな部屋ですね。アメニティなど過不足なしです。個人的には、ドリップコーヒーや紅茶があるのが嬉しいですね。インスタントに比べて美味しいのでテンションがあがります。
写真を取り忘れてしまいましたが、部屋からの景色もなかなか良いです。本当にザ・旅館という感じでそつがないです。定宿にするにはこういう宿がいいんですよね。Wifiの速度も快適でした。
わかまつやの極上温泉
蔵王に来たらなんといっても温泉!ということで、チェックインしたらすぐに温泉に向かいます。
まずは部屋をでて、長ーい廊下を渡って別棟の温泉のあるエリアに移動します。この長い廊下ですが、おそらく蔵王の強い硫黄泉の影響を本館の方に及ぼさないためなのではと思います。硫黄の強い温泉宿ですと、電子機器が壊れたり、水道の蛇口がすぐだめになってしまうんですよね。その影響を軽減するための工夫なのかなと思いました。
蔵王温泉にハズレなしの上質な酸性泉の大浴場
それでは、さっそく大浴場にお邪魔します。お風呂は、内湯が一つ。外に出ると、露天が二つ、一つが少し高いところに大石をくり抜いた露天があります。すべて同じ源泉の温泉をかけ流しています。
洗い場は5つほど。数回入浴しましたが洗い場が混雑することはありませんでしたね。
お湯に浸かると…、ああ、いい…。大好きな蔵王の温泉です。硫黄(硫化水素)の匂いがふわっと香り、ピリリッと肌に刺激がある酸性泉です。でも、柔らかい浴感もあります。
また、わかまつやには、貸し切りのお風呂も存在しています。こちらは事前予約制ではなく、空いていたら自由に入って良い仕組み。一つしかないので、運が悪いと争奪戦で中々入れないかもしれません。
わかまつやの温泉の泉質を詳しく
わかまつやの温泉は、自家源泉の「若松屋源泉」を利用しています。とはいえ敷地から温泉が湧いているのではなく、少し離れたところに湧いた温泉を宿に引いている使い方です。おそらく、上湯共同浴場の近くあたりから数百メートル引いているのではないかと思います。
蔵王温泉は、概ねどの旅館や共同湯であっても、温泉成分は似たような構成なのですが、お湯を引いた距離で湯のにごり方や柔らかさなどが変わってきます。
源泉から湧いてすぐですと、湯は濁らずフレッシュな浴感です。わかまつやのように距離があると、適度に湯もみされ柔らかい浴感になり、お湯も白く濁ることが多くなります。(湯の色は日によったりいろいろな条件で変わります)
実は蔵王温泉には、全国でもレアな、めちゃくちゃフレッシュな足元湧出が存在しているので、そちらと比較するとお湯の違いがわかって面白いと思います。
わかまつやの泉質ですが、成分表があったので詳しく見てみましょう。泉質は、「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉」で、PHは1.8の強酸性です。加水、加温、消毒なし!のパーフェクトな100%源泉かけ流しです。最高ですね。上記で解説している「かわらのゆ」や「川原湯」は、フレッシュですが加水をしているので、その点では、わかまつやに軍配があがりますね。
ちなみに、源泉地から近い他の共同湯の「上の湯」なんかもおそらく加水されています。なので、加水なしの100%源泉かけ流しを探しに行くのであれば、蔵王では温泉旅館のお風呂をリサーチする必要があります。わかまつやは、現在、立ち寄り湯を受け付けていないので、立ち寄り湯を受けつけているところですと、バスターミナル近くの「五感の宿 つるや」がおすすめです。内湯の雰囲気もよいのですよね。
さて、わかまつやの泉質に戻ります。実のところ、蔵王温泉の泉質はどの宿も多少の差はあれど、基本的な成分は類似しています。なので、これからの内容は蔵王温泉全体に当てまはまると持っていただいてもよいかと思います。泉質分析表を詳しく見ていきましょう。
まず、特殊成分から。PH1.8の強酸性なので殺菌効果があります。そのため皮膚病に効果があると言われています。具体的には、水虫、ニキビ、尋常性乾癬、慢性湿疹の改善効果があるとされています。
硫酸水素イオンの多さも目を引きます。蔵王温泉は立派な硫黄泉で、こちらもまた殺菌効果高く、皮膚によいとされています。その他、糖尿病、動脈硬化、高血圧への効果も期待できます。
また、鉄分も10mgでそれなりに含まれています。貧血への効果のほか、鉄分を含むと温まりやすくなるため、冷え性、リウマチ、更年期障害などの改善も期待できます。
次に、療養泉の成分になります。ナトリウムが豊富な塩化物泉であることから、鉄と同様温まりの効果があります。カルシウムも含まれているので鎮痛効果があり傷などにも良いでしょう。また、硫酸塩泉の効果によって皮膚を軟化させることからこちらも傷に良い湯となります。
また、遊離成分として、メタケイ酸が200mg以上含まれています。こちらは100mg以上含まれていると肌に良い(しっとりして美肌になる)とされることが多く、蔵王温泉はその2倍の200mg以上であることから明確に美肌の湯でもあります。
さらに、遊離二酸化炭素が600mgもあって、これは炭酸泉の定義までは及ばないまでもかなりの炭酸料を誇ります。ざくっとしたイメージでは、花王のバブの10培近くというと凄さが分かるでしょうか。最後にメタホウ酸が5mg以上ふくまれていて、こちらも殺菌効果が期待できます。
そんなわけで、もはやわけがわからなくなるレベルで効能がありそうな成分のオンパレード!なのが蔵王温泉です。これは、世界で的にみても有数の素晴らしい泉質だと思います。
とりわけ、皮膚への殺菌効果はかなり強そうで、実際に私が蔵王の共同湯で話をした地元の人が、夏汗疹ができたときにこちらの温泉に浸かると一発で治るとおっしゃってました。すごい。
ただし、強烈な酸性泉の温泉でもありますので、肌の合う合わないはあると思われます。人によっては肌荒れを起こすことがあるので、くれぐれも注意です。肌が弱い人は、入浴後に洗い流したほうが良いかもしれませんね。
食事の前にロープウェイで絶景を楽しむ
温泉を堪能したら、まだまだ時間があるので、蔵王ロープウェイを使って山頂駅の絶敵を拝みに行きます。
このロープウェイ、冬のベストシーズンに使うと、蔵王の有名なスノーモンスターを見ることができます。今回9月下旬の利用ですが、それはそれでかなりの絶景が堪能できます。もう少し時間が経てば紅葉も拝めますね。
ロープウェイを使ってサクッと山頂駅付近を楽しんでくるだけであれば、2時間もかからないと思います。ここから時間と足に自信がある人は、登山の準備をして蔵王山(熊野岳)や蔵王の御釡を見に行くのもおすすめです。
本数は少ないですが、蔵王刈田山頂行きのバスを使えば、御釡まで天気が良ければスニーカーで行けてしまうような楽なコースで観光が可能です。
温泉最高、登山もできる、バスやロープウェイを使って手軽に絶景も拝める、冬になれば国内最大級のスキー場がオープンする…などなど、とにかく懐が広いのが蔵王温泉なのです。もはや万能のリゾート地ですよ。
わかまつやの夕食のクオリティも高い
さて、温泉も楽しんで観光も楽しんだら、次のお楽しみは夕食です。わまかつやの食事は和食膳です。コース料理のような形式で順番に食事が提供されます。担当の方が、こまめに食事の進行具合を見てくれていて適切なタイミングで提供しれくれます。食事の提供タイミングはかなり良かったように思えます。
食事は一品一品手が込んでいて、味付けも濃すぎず薄すぎず、クオリティが高いです。
味、見た目、提供される品の工夫など、どれをとっても宿の価格帯に対して満足の行くレベルです。おすすめです。
では、順番に見ていきましょう。
全体的に、メニューが豪華でしたね。特にご飯でうなぎがでてくるというのはレアで、満足感もすごく高かったです。前菜なんかも一品一品凝っていて美味しかったです。一押しは「芋煮」で、これは必食ですね。
朝食も品数が多くて美味しい
夕食が美味しかったので、朝食の期待値が上がってしまうのですが、朝食も素晴らしいものでした。定番はしっかり抑えつつ、品数も多く、かつ地産地消と郷土料理を混ぜながら楽しみを作ってくれています。
白花豆、庄内麩、恵胡、金平牛蒡、ひょう干し、といったような食材や料理がでてきました。美味しくてご飯をお代わりしてしまいました。
山形駅では、平田牧場のとんかつをいただきました。おすすめです。
食べ過ぎですねw
総評 – 死角なしのすばらしい宿でした。
ということで、「和歌(うた)の宿 わかまつや」ですが、最強温泉の蔵王温泉を引いているということで湯の質は間違いなし。貸切風呂まであります。
さらに食事のレベルも総じて高く満足度が高い。部屋も、特別すごい部分はなくスタンダードな旅館の宿ではあるのですが、清潔で、必要なアメニティも十分、居心地のよい環境でした。
接客は、感染症対策もあるのか付かず離れずでその説明も、部屋に書いてあります。このあたりの接客の仕方については丁寧に説明していて好感が持てます。
蔵王温泉は、大規模ホテルが少なく基本的に小規模の宿か、わままつやくらいの中規模クラスの宿が多く、その中でも施設、食事は秀でていると感じました。普段使いはもちろんのこと、特別な記念日などで蔵王に行く場合も利用しやすい宿ですね。
今日も良い温泉を、ありが湯ございました!
蔵王温泉はいいぞ。
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