肘折温泉 共同湯 上の湯(かみのゆ)に行ってみた。利用方法と施設内の様子も解説。

こんにちは。竜也です。読んでいただいて、ありが湯ございます。

肘折温泉の共同湯、正面の湯に行ってみたのでレポートです。

この時は、肘折温泉の若松屋村井六助さんに宿泊していたのですが、せっかくなので共同湯の上の湯にも足を運んでみました。

若松屋村井六助宿泊のレポートはこちら↓

・2022年10月03日訪問

上の湯は肘折温泉の中心地からすぐ

上の湯は、肘折温泉の温泉街の中心地にあります。外観は、コンクリの普通の建物で、ぼーっと歩いていると見逃してしまうかもしれません。

場所自体は、非常にわかりやすいのでGoogleMapなどを見ながら温泉街のメインストリートを歩いていればすぐに見つかるでしょう。

肘折温泉の歴史と源泉の状態をおさらい

肘折温泉の歴史は、温泉史の中でもかなり古く、開湯は平安時代初期の807年と言われています。肘の骨を折って苦しんでいた老僧がこの温泉に浸かったらすぐに良くなったことから「肘折温泉」の名前がつけられたようです。そこから長年、湯治の温泉地としての歴史を重ねて現在に至ります。

現在、温泉宿は約20軒ほどですが、どの宿も源泉かけ流しで、湯のレベルが高い温泉地です。しかも自家源泉を所有している宿も複数あります。

当然、今回紹介する上の湯も源泉かけ流しになります。

上の湯は肘折温泉宿泊客は無料

上の湯の入浴料は300円になります。数年前は250円だったのが値上がりしているようですね。私が訪れたときは写真の通り入浴時間は8:00〜17:00でした。

上の湯については、肘折温泉宿泊者は、旅館で無料の入浴券をもらうことができます。私も泊まっていた若松屋村井六助で、入浴券をもらって訪れました。

おそらく、肘折温泉であれば、どの宿でももらえるのではないかと思います。

私が訪れたときは、特に管理人などもいない状態で、箱の中に入浴券を入れてそのまま入館しました。扉も鍵などはかかっておらず普通に開いていましたね。

時間によっては管理人さんもいらっしゃるんでしょうか。

脱衣スペースはかなり広いですね。椅子もあって、入浴後に休憩もできます。

左右に別れて右が男湯、左が女湯の入り口です。

靴を脱いで奥へ。

脱衣所は、結構広くて、ロッカーもたくさんあります。貴重品ロッカーはないので注意。

上の湯の泉質を詳しく

では、さっそく上の湯に入らせてもらいます。ああ、新鮮でいい温泉です。浴槽はかなり大きくて、10人以上入っても全然余裕なんじゃないかと思いました。

湯が出ている湯口の上にはお地蔵さんがあって、すっごく良い雰囲気を醸し出しています。有り難みが増しますね。

浴場には、水がでる蛇口しかなく、シャワーはありません。ザ・共同湯ですね。ここは我慢しましょう。

温泉は、当然のことながら源泉かけ流しです。塩素消毒もなし。加水はあるようです。

肘折温泉の泉質の基本

上の湯の泉質を語る前の、基本知識として肘折温泉の源泉のお話から…。肘折温泉の旅館、共同湯では、多少の違いはあれ同じタイプの泉質が提供されています。

基本的な泉質は、「ナトリウム – 塩化物・炭酸水素塩泉」になります。唯一、肘折温泉の中心地から少々離れた日帰り施設「黄金温泉 カルデラ温泉館」のみ炭酸泉の温泉が提供されていたと思います。

ほとんどの宿では、肘折温泉の組合が提供している、「組合○○号泉」(2号泉、3号泉が多い?)が利用されています。それに合わせて、宿毎に自家源泉を持っているところは、単体もしくは組合源泉と混合で提供されているイメージです。

そのため、肘折温泉でいろいろな宿の湯巡りをしても、湯の質自体に大きな違いがないため、同じ浴感が続きすぐに飽きてしまうでしょう。

一方で、肘折温泉で提供される温泉は、湯量豊富、すべて循環なし、塩素消毒なしの源泉かけ流しで(加水はあり)、非常に恵まれた温泉環境にあります。

独自の源泉を利用している上の湯のアドバンテージ

上の湯の泉質は、うっかり分析表を撮影するのを忘れてしまったのですが…、肘折温泉の基本「ナトリウム – 塩化物・炭酸水素塩泉」になります。

しかし、上の湯に関しては、組合源泉だけでなく「上の湯1号源泉」「上の湯2号源泉」「上の湯3号源泉」と「組合源泉」の混合なんです。ということで、上の湯独自の源泉を堪能できるわけです。その意味でも、泉質マニアであれば行く価値ありですね。

詳細な成分を解説

悲しいことに成分表を撮影し忘れていたので、他の方が撮影したものを参考にしながら…。

上の湯の成分の中で特に目立つのが、ナトリウムイオンの555.1mg、塩素イオンの624.0mg、これらから分かるように肘折温泉は第一に、塩分による保温効果がある温まりの湯になります。基礎体温上昇は、様々な面でプラスなので特に寒い地域の湯治に向いていいますね。

次に目立つのが炭酸水素イオン685.2mg。炭酸水素はいわゆる重曹ですね。重曹泉としての側面もかなり強い。重曹泉は肌がつるつるになる美肌の湯でもありますが、傷やアトピーなどの慢性皮膚病にも効果的です。

塩化物泉や、重曹泉は、飲用でもおすすめの泉質です。重曹泉は胃酸の中和による胃の活性化により痛風、慢性の消化器病、糖尿病、肝臓病などに効果的と言われています。

次は、硫酸イオン128.1mg。こちらも炭酸水素と同様外傷に効果があり、動脈硬化にも効果があります。

カルシウムも72.7mg含まれていることから鎮静効果もきたいでき、やはり傷に良いです。名前の通りですね。

他に、注目される成分としてはメタケイ酸が119.9mg。メタケイ酸が100mgを超えると肌がしっとりする美容効果が期待できます。

さらに、メタホウ酸33.6mg。メタホウ酸は皮膚の殺菌効果があり、傷や皮膚病に効果的です。さらに眼病(白内障、眼底出血、眼精疲労、ドライアイなど)にも効果的です。

まとめると、上の湯の泉質は、かなり広範囲に渡る温浴効果が期待できるすごいお湯だと言えます。特に肘折温泉の由来通り、傷の回復や、皮膚関連への効果が高い温泉と言えそうです。

分析表で加水ありになっているのですが、源泉温度が低いのに本当に加水しているのかな?とふと疑問に思いました。

肘折温泉の基本の泉質と、上の湯の泉質の違い

これらも踏まえた上で、上の湯の泉質と、肘折温泉のベーシックな源泉の「組合○号」源泉の比較をしてみます。

今回は、私が先日宿泊した若松屋村井六助さんの大浴場の泉質と比較をしてみます。

まず明確に違うのがお湯の色です。

肘折温泉の、ほとんどの湯はうっすら茶色がかっているのですが、上の湯のお湯は茶色味がほとんどないのですよね。実際に、泉質分析表にも「鉄」の項目に数値が入っていません。茶色い色は鉄が酸化したことによる色が中心なのでこのあたりに影響がありそうです。

また、各成分の数値がかなりことなります。例えば、炭酸水素イオンの濃度が上の湯では、685.2mg、若松屋村井六助さんでは、912mgといったように、多くの成分が2割から3割ほど薄いようです。源泉の温度も上の湯は43.5度、若松屋村井六助さんでは65.9度とだいぶ低いようです。

結論を言うと、上の湯で提供されている源泉は、成分が薄めといえるでしょう。

総評:共同湯としてはかなり良い。

上の湯ですが、源泉かけ流しで塩素消毒なし、源泉の提供状態も良いということで、素晴らしい温泉です。湯口の上にお地蔵様が立っている神聖な雰囲気も一度は行く価値あり!の共同湯だと思います。

一方で、肘折温泉は、どこの宿も強烈に泉質の状態が良いので、わざわざこの共同湯に行かないといけない!という必然性が作りにくいのも正直なところですね。

浴槽も大きいので、お湯の入れ替わる時間も長そうで、意外と鮮度がすごく良いとは言い難いかも…と感じました。

共同湯は、浴槽が小さければ小さいほど、湯の鮮度がよくなりがちなのですよね。湯の投入量とのバランスもありますが。

先程比較にも出した若松屋村井六助のように、自家源泉を持っているところだと、そちらの方がもっと鮮度が良い!ということもありそうです。

ひとまず、泉質マニアであれば「組合源泉」と「上の湯」の比較は、楽しいことこの上ないのでおすすめです。

今日も良い温泉を、ありが湯ございました!

肘折温泉はいいぞ。

この記事を書いた人

山田 竜也
温泉大好きフリーランスです。一年のうち結構な割合で、温泉か山にいます。専門分野はWebマーケティング分野。社会学、哲学、経済学など大好き。コンサルティング、広告運用、Web管理の他、自分の所有するメディアからの広告収入、セミナー講師、著書印税、イベント売上など10種類くらい収入源を作っていろいろ実験中です。ペンネームで本もいろいろ書いてます。

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