小野川温泉 吾妻荘 宿泊レポ – とろける米沢牛とラジウムを含む極上源泉かけ流し湯を堪能

こんにちは。竜也です。読んでいただいて、ありが湯ございます。

自分だけの特別な温泉地を見つけたい。分かる人だけわかる個性的な温泉で、食事も美味しい、そんな温泉地を探している人におすすめなのが小野川温泉です。

小野川温泉の歴史は約1200年ほど昔、平安時代の承和(834年〜848年)に遡ります。かの絶世の美女として有名な小野小町が、父を探して京都から東北に向かう旅の途中で病に倒れてしまいます。その際に、薬師如来が夢枕に立ち、導きに寄って発見されたのがこの小野川温泉ということらしいです。そこで、小野小町が病を治したという、かなりイケているエピソードを持っています。

そのため、地域では美人の湯として小野川温泉を売り出しているのですが、実際の湯の実力は如何ほどか、後ほど詳しく解説したいと思います。

小野川温泉自体は、長いこと地元の人以外には全国区であまり知れ渡っていなかった温泉ですが、最近では泉質マニアたちの間でじわりじわりと知名度が広がってきている温泉でもあります。

個人的には、小野川温泉を知らないともったいない!と思います。それくらい良い温泉です。

・2022年10月4日訪問

小野川温泉への道のり

小野川温泉への公共交通機関アクセスは、温泉地としてはかなり便利な方だといえるでしょう。最寄り駅が米沢駅で、そこから山交バスで向かう形になります。この米沢駅が、便利なことに新幹線が止まる駅なのです。東京から2時間5分程度で米沢駅に到着。そこから乗るバスも約25分と温泉地に向かうバスの中ではかなりコンパクトな時間です。

東京駅から、実に乗り換え1回、という恵まれたアクセスを誇ります。しかも米沢駅では、美味しい米沢牛がいただけるお店が多数。言うことなしですね!

今回私は、逆方向の肘折温泉から新庄駅を経由して米沢に向かいました。

肘折温泉 若松屋村井六助 宿泊の様子はこちら

米沢駅、静かですが広い駅です

さっそく米沢牛をお手軽に堪能

さて、せっかく米沢に着いたのでランチに米沢牛でもいただきますか。入ったのはこちらの「牛鍋 おおき」さんです。

本当は、がっつり牛鍋を頂きたかったのですが、たぶん夕食でも牛鍋が出そうなので、牛丼を頼むことに(あまり変わりないか…)

うーん、美味しい。この価格で美味しい米沢牛が食べられてしまうのか。

素晴らしすぎる。

ランチメニューはこちら

駅方面を歩いていたら、牛肉の自動販売機を発見。生まれてはじめて牛肉の自動販売機を見ました。米沢すごい…。

バスに乗って小野川温泉へ

お腹を満たしたら、いよいよ小野川温泉に向かいます。小野川温泉駅の産交バスに乗ります。

バスの待合所

全然、人がいないぞ…大丈夫か…。まあ平日だしこんなもんですかね。

バス停に到着。お土産屋さんの前です

すぐ近くに観光案内所もあります

バス停近くの、佐藤豆腐屋さんで豆腐ソフトクリームなるものがあるらしく訪ねてみました。

ん?なんかパネルがあるぞ??

んんーーーー?

ということで、店主さんがたぶん阪神ファンなんでしょうね。私も関西に8年ほど住んでいたのでいろいろと分かりますよ。はい。

豆腐ソフトクリームゲットです。甘さが控えめなので豆腐の風味を感じられるのと、旅行中は胃が持たれやすいので、このさっぱり感はありがたいです。美味しいソフトクリームでした。

小野川温泉 吾妻荘にチェックイン。建物と部屋の様子

さて、さっそく吾妻荘にチェックインです。建物、風情がありますね。

今回の部屋の名前は飯豊。ああ、飯豊山登りたい

部屋は、落ち着いた、ザ・旅館の和室です

洗面所、トイレついてます
ドライヤーは、風がしっかり出るタイプですね

テレビもしっかり。私は旅館でテレビ見ないのですが…

ちょっとした広縁もあります

窓からの景色がよいですねー

うっかり写真を取り忘れてしまいましたが、浴衣と歯ブラシなど最低限のアメニティはしっかり用意されています。

特別に秀でた要素はないのですが、部屋はきれいで過ごしやすく快適になるように気を使ってくれているのが分かります。

Wifiについては、かなり速度が早いですね。文句なしに快適です。

吾妻荘さんの良いポイントとして、セルフコーヒーが飲み放題になっていました。レギュラーとアメリカンが選べます。あとこのマシン、緑茶とほうじ茶も飲み放題ですね。

私、コーヒー大好きなので、このサービスはすごく嬉しいです。

小野川温泉の「小野川小町」推しがすごい

宿のフロントを見ると、キャラクターのグッズが売っています。

どうも、小野川温泉は、温泉むすめの小野川小町ちゃんをめちゃくちゃ推してるようですね。街を歩いても、お店に行ってもとにかく目に入ってきます。これはこれで面白いですね。

キャラクターを活用しつつ、美人の湯で売り出しているのかなと思います。

小町の休み石

とあるお宿には神棚が…

まんじゅうまで…

グッズがどこに売っているか一覧のパンフレット

小野川温泉 吾妻荘の、湯の肌舞う源泉かけ流し極上泉について詳しく解説

いよいよお楽しみの温泉です。小野川温泉は泉質が良いのです。

どこでも源泉かけ流しの小野川温泉の凄さ

小野川温泉の湯使いの状態ですが、現在小野川温泉には2つの共同浴場(昔は3つだったらしい…)と13の宿があり、すべての温泉が源泉かけ流し(100%源泉かけ流しではない)という素晴らしい状態です。

小野川温泉は、いわゆるハズレのない温泉と言えます。

小野川温泉で主力となる源泉が「協組4号源泉」。小野川温泉では、複数ある源泉を一つにまとめて管理しています。成分がかなり濃い源泉で高温なのですが、共同浴場や各旅館がこちらのお湯を主力源泉として利用しています。

ただ、先述したとおりこちらの源泉は非常に熱い、約80度(!)近い温度のため、実際の湯船では加水するか、温度約35度の「協組5号源泉」をあわせて温度を下げて提供するという形をとっています。つまり、小野川温泉の源泉は、「協組4号源泉」「協組5号源泉」の2源泉でほぼ賄われているということです。

溶存物質の合計量を比較すると、「協組4号源泉」が約4,400mg、「協組5号源泉」が約3,800mgで、5号の方がそこそこ薄いものの、そこまで変わらない?一応、4号源泉に5号源泉をブレンドすればするほど、成分が薄まっていくという感じです。

これらを踏まえて、小野川温泉の温泉の提供パターンは3種類。

  1. 「協組4号源泉」しか使っていないすごく濃い温泉
  2. 「協組4号源泉」と「協組5号源泉」のブレンドの100%源泉かけ流し(割合は6:4くらい?)の温泉
  3. 「協組4号源泉」に井戸水などを加水した温泉

1のパターンはかなりレアなのですが、調べてみると「うめや旅館」さんが熱交換システムを使って実現しているようです。ただ、Webサイトを見ると一人宿泊は受け付けていなそう…。こんど日帰り温泉で利用してみよう。

ということで1は例外で、殆どの旅館は2か3。井戸水で加水することに関しては、人によっては、100%源泉かけ流しとは言えない!と思われるかもしれないですが、正直、温泉の濃度については、2と3は極端には変わらないのかなと思ってしまいます。そこまで大量に水を投入するわけではないので。

ちなみに、共同湯を入り比べたときに、2のブレンド方式の滝の湯と、3の加水方式(たぶん)の尼湯では、むしろ尼湯のほうがお湯の濃さというか個性を感じました。

なので、ブレンドか加水かの選択は、そこまで神経質にならなくてもよいのかなと思います。もともと、かなり濃い温泉ですしね。

今回泊まった吾妻荘のお湯は、3の加水方式になります。

代表的な「協組4号源泉」の泉質分析

では、上記も踏まえながら、小野川温泉の泉質を詳しく見てみましょう。代表的な源泉の「協組4号源泉」の分析表になります。

泉質名は、「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」。

まずPHは6.8で中性になります。酸やアルカリで肌が溶けることなく、刺激が少ない温泉です。溶存物質の合計は4,456mgで、療養泉の基準1,000mgの4倍以上の濃ゆい源泉です。

さらに成分を掘り下げていきましょう。まず目につくのが圧倒的な塩類成分。ナトリウムの1,010mgと、塩素イオンの2,373mg。この二つで3,373mgなので、溶存物質の中でかなりのボリュームを占めます。塩分豊富ということで温まりやすく、保湿しやすい温泉です。神経痛、冷え症、関節性リウマチなどの症状によい湯です

次に目につくのがカルシウムイオンの354.7mg。カルシウムは鎮痛効果があるので傷に良さそうです。他に、高血圧症、動脈硬化、脳卒中、慢性関節リウマチに良いとされています

その他で目立つものは、硫酸イオン70.4mg、炭酸水素イオン103.6mg。硫酸イオンについては、切り傷ややけどなど、傷に効果があり、先程のカルシウムと合わせて鎮静採用も期待できます。湿疹やニキビなど肌のトラブルにもよいです。

炭酸水素イオンは、肌の角質を除去したり、毛穴の汚れをとる他、飲泉により痛風や糖尿病の改善効果があるとされています。

さらに「含硫黄」ということで、少ないながら硫黄の成分も含まれています。硫黄は、アトピー性皮膚炎の改善 、糖尿病や高血圧の改善が期待できますが、小野川温泉はちょっと少ないかな…。

最後に、美肌の湯としては外せない成分、保湿効果が高く、肌の新陳代謝を促進してくれるメタケイ酸ですが66.3mg。しっかり入っていますね。

小野川温泉の「美人の湯」アピール。看板に偽りはないか?

さて、ここまで成分を見てきましたが、小野川温泉の「美人の湯」としての評価はどうでしょうか。結論から言うと、肌に良い要素はしっかり入っているし、全宿が源泉かけ流しという温泉の状況をみても「美肌の湯」を謳っても良いかなと思います。

少しわがままをいうと、美肌成分の「メタケイ酸」が100mg〜200mgくらいほしいなぁ…、というのと、硫酸イオンや炭酸水素イオンがもう少し多いといいなー…という希望はあるのですが、現状の成分でも肌の調子は間違いなく良くなるはずです!

ただ、湯田川温泉は、非常に温まりやすいお湯で、かつカルシウムが多いので、冷え性や、神経痛、高血圧、動脈硬化などなど……個人的には、「美人」よりもがっつり心身の不調に効く温泉としての成分の方に目がいってしまいますね。

美しさ以上に、めちゃくちゃ元気になる温泉です。

すごく、良い成分の温泉なのですよ。小野川温泉。

ラジウム温泉としてはどうなの

小野川温泉は、ラジウムを含んでいるという記述を見かけます。高温の温泉でのラジウム含有量が日本一という謳い文句も見かけましたが、今ではラジウム量が少ないという記述も見かけました。実際はどうなのでしょうか…?

このあたりは、私は実態がわからないのでノーコメントです。(詳しい方がいたら教えて下さい)

ただ、ラジウムは効果を得ようとする場合、気化したものをある程度長い時間吸入する必要があります。ラジウム温泉で有名な新潟の栃尾又温泉ですと、ぬる湯で平気で2時間など長時間浸かってラジウムを呼吸や全身から取り込みます。同じくラジウムで有名な鳥取の三朝温泉では、ラドン熱気浴という方法でラジウムを身体に取り込むようにしています。

小野川温泉では、こういった仕組みがないので、仮に小野川温泉にラジウムが含まれていても、そこそこ温泉に浸かるだけでは栃尾又や三朝のような効果は期待できないのではないかと思います。

なので、小野川温泉はラジウム目当てで行く温泉ではなく、おまけでラジウムが入ってたらラッキー!くらいの気持ちでみておくのがよいかと。

吾妻荘の内湯に入ってみました

前置きが長くなりましたが、吾妻荘の温泉を堪能させていただきます。

廊下を歩いて温泉に。

廊下を進んでいきます

道中に、コーヒーやお茶のマシンが

入り口に自動販売機。ここから更に入ったところで男湯、女湯、貸切風呂に別れます

小野川温泉の由来

大浴場の様子

男女入り口

脱衣所スペース広いです

まずは、大浴場から入ってみます。広いし気持ちの良い空間です。水がどこから足されているかはわかりませんが、おそらく加水ありの源泉かけ流し(100%源泉かけ流しではない)の温泉になります。

浴槽は結構広くて、8人くらいは余裕で入れそうな広さです。

泉質は、先程説明したとおり、「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」。塩分濃度が濃い温泉なので、神経痛、冷え症、関節性リウマチなどに効果的ですし、その他、先程説明したとおり皮膚にも良い成分です。謳っている通り美肌の湯でもあります。

浴槽に近づくと、ふんわりと僅かですが硫黄の香りがします。お湯は舐めてみると、やはりしょっぱい。塩分を含んだ味がします。

見た目は、透明で澄んでいるのですが、よく目を凝らすと白い湯の花がたくさん浮いてますね。湯の花みるとテンションが上ります。

お湯の温度は若干熱め。41度くらいの温度調整でしょうか。

このお湯は、とにかくよく温まりますね。数分入っているだけで、どんどん汗がでてきます。湯上がりもなかなか身体の熱が冷めません。鬱とか自律神経に良さそうなお湯だなぁ。個人的に好きなタイプのお湯です。

貸切風呂の様子

吾妻荘には、大浴場以外に一つ貸切風呂が存在しています。こちらの貸切風呂は予約は不要で、空いていれば好きに利用してよいシステムです。

湯船は小さくて2〜3人くらいのキャパシティでしょうか。小規模の家族で使うか、温泉をなんとしても独泉したい人向けですねw

源泉は、おそらく大浴場と同じだと思います。こちらは、加水している水が湯口からはっきり分かりました。

せっかくなので共同湯も梯子しました

滝の湯に入ってみました

今回、実はチェックインする前に、小野川温泉の二つの共同浴場にも入ってみました。まずは、バスターミナル近くの「滝の湯」から入り口に自動販売機があって、そこで入浴料の250円を払って入る仕組みです。管理人などはおらず無人ですね。

中に入ると、脱衣所はかなり狭くて2〜3人で窮屈さを感じる空間です。お風呂のスペースは、洗い場が3つあるこじんまりとした共同浴場です。

こちらもうっすらと硫黄の香りがしますね。

お湯は、おそらく「協組4号源泉」を「協組5号源泉」のブレンドではないかと思います。文句なしにいいお湯です。トクトクと新鮮なお湯が注がれ続けています。

お湯の温度も入りやすい温度ですね。40〜41度くらいでしょうか。

小野川温泉に来て初めての温泉が、この滝の湯だったので、もうその瞬間に小野川温泉好きになっちゃいますよね。

共同浴場らしい建物

自動販売機で券を買うシステム

中は、こじんまり。お湯は新鮮

尼湯に入ってみました

次は尼湯です。尼湯は、温泉街の中心にどーんと建物があります。見た目的にも風情があっていい感じです。

こちらは、扉を入るとやはり自動販売機があってチケットを購入するスタイル。滝の湯と同じで無人です。ただ、料金が少し安くてこちらは200円なんですよね。滝の湯の250円と何の差なんでしょうね。不思議な料金差です。

尼湯は、滝の湯と違って「協組4号源泉」一本勝負!その代わり温度が熱いので加水している感じです。

滝の湯に比べると、尼湯の方が湯船の温度は熱かったです。加水の量にもよるのかもしれませんが、基本的には尼湯のほうが熱めのお湯だと思って利用したほうがよいでしょう。温度は42度くらいでしょうか。

尼湯もいいお湯でした。個人的には、滝の湯より尼湯のほうがお湯の個性を感じたんですよね。加水しているはずなんだけどね。

私は尼湯推しですが、みなさんはどうでしょうか。

人が多くて撮影できなかったのでInstaより。

食事は米沢牛と手の混んだ品々。美味しい

夕食は米沢牛

次はお楽しみの夕食です。

食事は、手が込んでいて美味しいです。明らかに一般的な温泉宿の夕食の平均レベルを超えています。

見た目にもおしゃれですし、味も優れています。

土地柄、しっかり山形牛や、米沢牛を堪能できるのも良いですね。お肉は本当に美味しかったです。

食前酒の代わりに甘酒が出てくるのも、変わり種な感じでいいですね。

本日の献立

米沢産、無添加甘酒

干し椎茸、高野豆腐など

米沢牛ローストビーフ、無花果の生ハム巻き、白つぶ貝酢和え
ローストビーフ美味しい!

お造り。マグロに甘海老

焼きもろこし揚げ、みずの実、おくら海老射込み利休揚げ
変わり種の天ぷらで美味しい。ふわふわサクサク。

米沢牛入、芋煮。反則級にうまい。

山形牛のすき焼き。
山形牛なので米沢牛ではないのかも?でもとろける美味しさ。

抹茶きなこ。わらび餅。
コーヒーにも合います。

朝食はシンプルに美味しい

朝食は、写真の通り、割とスッキリした見た目です。夕食の、変わり種や豪華オンパレードに比べると落ち着いた印象でしょうか。

朝ごはんにこだわりがある人には物足りないかな。

ただ、調理技術が高いので美味しいです。

総評:サービスも食事も良い素敵な宿

吾妻荘ですが、小野川温泉でも人気の宿だと思います。終始、接客はフレンドリーで印象もよく気持ちよく過ごせました。部屋もきれいで広さも申し分なし。何より、温泉の質が高い(これは小野川温泉全体に言えますが)のと、夕食の手の混んだ献立が素晴らしいです。

個人的には、コーヒーが自由に飲めるのもポイント高かったですね。

山形の中では、一押しの宿です。

今日も良い温泉を、ありが湯ございました!

小野川温泉はいいぞ。

この記事を書いた人

山田 竜也
温泉大好きフリーランスです。一年のうち結構な割合で、温泉か山にいます。専門分野はWebマーケティング分野。社会学、哲学、経済学など大好き。コンサルティング、広告運用、Web管理の他、自分の所有するメディアからの広告収入、セミナー講師、著書印税、イベント売上など10種類くらい収入源を作っていろいろ実験中です。ペンネームで本もいろいろ書いてます。

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