草津温泉の共同浴場、白旗の湯・地蔵の湯・千代の湯、他を比べてみた。

共同浴場が大好きな温泉ワーカー山田です。どこでもドアでいつでも草津温泉に行ければいいのにと、3日に1回くらいは想っています。

私は、ゆったり入れるお宿の温泉も好きなのですが、宿泊地の温泉の醍醐味を味わうなら、なんといっても共同浴場です。共同浴場は、源泉から近い浴場が多く、ほとんどの場合、その温泉エリアで一番質の良い100%源泉かけ流しを味わうことができるので、私はどの温泉地にいっても、まずそのエリアの共同湯を探しに行きます。

特に、草津温泉は共同浴場パラダイスです。でも、共同浴場ってなんか怖い、敷居が高そう。特別なルールがないの?一つだけ行くとしたらどこの共同湯に行くべき?そんな疑問に答えるために、おすすめの共同浴場、初心者向けの共同浴場について、また草津温泉の共同湯の仕組みについてまとめてみます。

共同浴場パラダイス草津温泉

草津の無料共同浴場の数はなんと19箇所

草津温泉には、無料で入浴可能な共同浴場がなんと19箇所もあります。もちろんすべて100%源泉かけ流しです。もはや草津温泉は共同浴場の楽園といっても過言ではありません。ただし、一般の利用者に公式に開放されている浴場は3箇所のみです。その他は、基本的には住民向けの共同浴場ということになっています。また、それ以外にも複数有料の温泉施設が存在してます。

旅館やホテルも、立ち寄り湯を歓迎しているところが多く、敷居が高そうな有名旅館も立ち寄り湯を受けて入れているケースがほとんです。これが、さらに草津の温泉ライフを素晴らしいものにしています。これなら、素泊まりの小さい旅館を予約しても十分楽しめてしまいますね。

草津温泉の泉質について

草津温泉の自然湧出量は、約27,000 L/分(最大時36,000 L/分超)を誇ります。掘削した動力揚湯などを除いた、自然に湧いた温泉という意味では日本で最大の湧出量を誇ります。また、草津の温泉は湯畑源泉pH2,1を始めとしてpH2.0前後の強酸性の温泉です。そのため、とてつもない湯量に恵まれている上に、強酸性であることからレジオネラ菌などの発生とも無縁で、草津温泉の湯は、まず新鮮な源泉掛け流しと考えて良いような恵まれた温泉地です。

国内でも有数の共同浴場の環境もこの湧出量に支えられています。また、温泉地としての高い評価によりたくさんの観光客が訪れていることも、共同湯を地域として維持し開放し続けている理由の一つといれるでしょう。

草津温泉のお湯の熱さは基本的に高温です。旅館の湯は、湯守さんなどが適温まで管理していてくれたり、加水している場合がありますが、共同浴場の場合は、湯温がかなり熱い場合があります。低めでも41度以上はあると思って下さい。45度オーバーの場合もあります。強酸性の45度以上は、体感上かなり刺激が強いです。私はいける口です。

草津温泉の主要源泉についておさらい

草津温泉の主要な源泉は私の認識では以下の7つ。これらが各共同浴場や、旅館に配湯されています。

源泉の名前 泉質 pH 泉温 特徴
湯畑源泉 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 pH2.1 52.7℃ 無色透明、微硫化水素臭、柔らかい当たりの湯。
白旗源泉 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 pH2.1 52.2℃ 白濁、硫化水素臭。
地蔵源泉 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 pH2.2 49.9℃ 微白濁、硫化水素臭。
西の河原源泉 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 pH2.1 44.9℃ 無色透明、無臭。
万代鉱源泉 酸性-塩化物・硫酸塩泉 pH1.6 94.5℃ 無色透明、無臭。酸性が強い。メタケイ酸値が高い530mg。
煮川源泉 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 pH2.1 48.5℃ 無色透明、微硫化水素臭、源泉からの提供方法が異なり湯が新鮮?
わたの湯源泉 酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 PH2.11 51.1℃ 包み込むような当たりの柔らかい湯。

その他、特定の旅館でしか提供されていない、君子の湯、若の湯などレアな源泉もあります。

これらの中で、草津温泉に行ったら、ぜひ抑えておいたほうがいいよという私のおすすめは、3つ。

  • 草津温泉のスタンダード、湯畑源泉。
  • 硫黄と湯の花満載で、温泉感が味わえる白旗源泉。
  • 酸性が飛び抜けて高く、すっきり透明度の高い万代鉱泉。メタケイ酸が500mg突破。

特にpHや成分、泉温を見ても分かる通り、万代鉱泉とその他の源泉は明確に泉質が異なります。万代鉱泉以外については、正直どれもしっかり「草津らしい源泉」であることは間違いなく、そこそこマニアにならない限り、そこまで泉質の違いにこだわらなくても楽しめると思います。少なくとも「草津」と「蔵王」と「伊香保」みたいに他の温泉地との湯の違いにくらべれば、草津内での源泉の質の違いは微々たるものと言ってもよいくらいには同タイプです。

万代鉱泉のみ、酸性が強く、お湯がサラサラ透明です。かなり染みるので人によっては苦手な方もいるようです。この万代鉱泉、美肌効果が高いと言われる成分「メタケイ酸」が530mg前後あって、国内でもトップレベルの飛び抜けて高い数値です。美肌に関心がある方は、ぜひどうぞ。ちなみに、それ以外の源泉もメタケイ酸が200mg前後あり、これは国内でも屈指の成分量です。草津温泉素晴らしい。

草津の共同浴場を使う際に知っておきたいマナー

各共同浴場に、必ずマナーの掲示はしてありますが、特に注意すべき点はこちらです。

  • 共同浴場の多くはシャワーがありません。十分にかけ湯をして、汚れを流してから湯船に浸かること。かけ湯をする場合は他の人に飛沫がかからないように、座って静かにかけ湯しましょう。
  • タオルを湯船に浸さないこと。
  • 湯船から出るときは、脱衣スペースに入る前にタオルで体を拭くこと。特に、利用者にとって迷惑なのは脱衣所の床を濡らすことです。濡らさないように丁寧に拭いてから脱衣所に戻りましょう。
  • 大人数で、共同浴場に入らないこと。共同浴場によっては3人〜4人程度で湯船がフルになってしまいます。そのため、大人数で共同浴場に行くと他の利用者が入れなくなります。多くても3人以下のグループで行動しましょう。
  • 浴場で騒がないこと。これも大人数のグループでよく見かけます。静かに温泉を楽しんでいる人に大変迷惑です。
  • 脱衣所を散らかさないこと。当たり前ですね。
  • 共同浴場にはコインロッカーなど鍵付きのロッカーがないので貴重品の管理には気をつけましょう。

これらを念頭に、草津のおすすめの共同湯とそのポイントについて解説していきます。

草津温泉おすすめの3つの共同浴場

まずは、必ず入ってほしい白旗の湯

共同浴場で、一つだけどこに入ればいいかと聞かれたら、迷わずおすすめするのが、この「白旗の湯」です。場所は湯畑のすぐ近く。草津温泉のまさに中心地と行っていい場所にある共同浴場です。これだけ、アクセスがしやすい場所にありながら、泉質の面でも、もっともおすすめしたい共同湯というのが草津の凄さですね。

白旗の湯は、白旗源泉のすぐ近くの鮮度最高の温泉です。

こちらも白旗の湯源泉。
白旗の湯源泉。なぜかお金が投げ込まれています。やっちゃダメ。

白旗の湯に使われている「白旗源泉」は、草津の源泉の中でも特に硫化水素臭(いわゆる硫黄臭)があり、白濁している、「いかにも温泉」といった味わいのある源泉です。もちろん、草津特有の強酸性の性質も保有しています。

白くて、硫黄の臭いがいして、酸性も感じる。湯の花もたっぷり。個性が強いので「あー、温泉っぽい」という感覚を味わえるという泉質です。草津温泉の大半の湯は、透明もしくは透明に近いので、白色の温泉はレアです。

しかも、源泉となる白旗源泉は、白旗の湯の施設から徒歩1分以内のごく近くです。そのため湯の鮮度が素晴らしい。全く温泉に詳しくない人でも、このお湯に使った瞬間、その素晴らしさを感じることができるでしょう。私は、初めて入ったときは感動して涙が出そうに成りました。湧き出ている源泉も見に行くことができるので、ぜひ見学してみましょう。

白旗の湯、内部の様子。奥に見えるのが激熱の湯。

建物の外観や内部も非常に味があります。木造りの床や浴槽は、湯治施設感が満載で、癒やされます。ステンドグラスの窓も本当に味があって良い。昼間は、ガラスから差し込む光と、湯けむりがさらに施設を幻想的なものにしてます。これで、無料とはどういうことだ。

また、草津の共同浴場の中で、施設も広め(といっても、小さいですが)で、浴槽も2つあります。ただ、脱衣所と浴槽は、ごく簡単な仕切りはあるものの扉などはなく繋がっています。かけ湯などで、水が脱衣所まで飛び跳ねないように注意しましょう。もちろん、男女別。

旗の湯、脱衣所はこんな感じです。
味のある内部。
ステンドグラスも美しいです。

2つあるうちの一つは激アツ温泉。

白旗の湯には、先述のように2つの浴槽があるのですが、それぞれが異なる温度設定になっています。その時時で一概に何度とは言えないと思うのですが、ぬるい方でも41〜41度とそれなりに熱いので注意。熱い方の湯は、46〜48度くらいの熱さがあります。私は、入れましたが、かなりの熱湯好きでないと厳しいと思います。

東京、上野の六龍鉱泉という温泉銭湯の熱湯が48度くらいで、熱いの大好き江戸っ子魂を試すような温度になっているのですが、それとほぼ変わりません。強酸性で刺激が強いぶん、より体感的には熱く感じると思います。

この浴槽、激熱。

このように、2つの温度の湯船を同時に楽しめるというのも白旗の湯の特徴です。

他の共同湯の場合、湯船が一つしかないので、その温度が高すぎるときは入れないですからね。白旗の湯の、温度の低い方の湯は、熱いお湯が苦手な人でも、頑張ればなんとか入れるレベルだと思います。

立地と泉質から利用者が多いので注意

白旗の湯は、立地の良さと、泉質の良さで、観光客にも、地元民にも人気で、基本的には混雑しやすい共同湯です。そのため、先客には挨拶した上でマナーを守って利用しましょう。特に、友人やグループなど大人数で利用するのは控えましょう。多くても3人以下で、利用するのがいいと思います。

できる限り「空いてる共同湯がいい」ということでしたら、次に紹介する共同湯に向かいましょう。

名前 白旗の湯
入浴料 無料
営業時間 5:00~23:00(清掃時間を除く)
混浴の有無 完全に男女別
住所 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津112−1

根強いファンが多い地蔵の湯

湯畑からちょっと坂の上り下りをしつつ、5分程度歩いたところにある共同湯です。こちらの源泉は「地蔵源泉」。すぐ近くにはこの源泉を浸かった足湯もあります。共同浴場に入るのが緊張するという人は、まずはこちらの足湯を利用してみるのもおすすめです。湯畑の足湯は、いつも混雑していますが、こちらは空いている事が多いです。

地蔵源泉の近くには、「目洗い地蔵」というお地蔵さんが祀られていて、ちょっとした由来があります。

昔、徳兵衛目の病気を患っていた男が、夢に現れた地蔵の言うとおりに、この源泉で目を洗ったら眼病が治ったということから、この源泉の名前がつけられているとのこと。

ということで、眼病に効くとのことです。とはいえ、強酸性の源泉なので、直接目を洗うのはおすすめしませんが…。湯気を当てるくらいがよいと思います。

こちらの源泉も観光できます。
源泉のお湯もとても良い雰囲気。
お地蔵様も並んでいます。
源泉のすぐ隣には足湯もあります。

こちらの地蔵の湯は、白旗の湯ほどではないですが、うっすら濁っている白濁した湯です。建物自体は、天井が広く、気持ち良い空間になっています。個人的にはこの空間かなり好きです。湯船は4人くらいでちょっときつい感じでしょうか。

ところが一点気になることがあって、この共同浴場は、湯船、洗い場の部分と、脱衣所の部分が完全に一体化しています。脱衣所の板の踏み場もかなり狭い。はじめて、このような共同浴場に入った人は、ちょっとびっくりするかもしれません。かけ湯するときや、出るときなど脱衣所の床をすごく濡らしやすいので気をつけましょう。こちらも、すぐ近くにある源泉を見に行くことができます。

私は、こちらの地蔵の湯が一番好きな源泉です。しっくりくるお湯というのが理屈ではなくあるんですよねー。書いていたら入りたくなってきました。

※インスタグラマーさんより内部の様子です。

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前記、美肌効果100点㊗️の 草津温泉 地蔵の湯 再訪時に写真撮りました✨ 美しい。。。笑

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名前 地蔵の湯
入浴料 無料
営業時間 8:00~22:00(清掃時間を除く)
混浴の有無 完全に男女別
住所 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津299

定番の湯畑源泉が楽しめる千代の湯

3つ目の共同浴場「千代の湯」は、湯畑源泉から東に下ってすぐのところにあります。こちらのお湯で利用しているのは「湯畑源泉」。草津といえば「湯畑」ですよね。せっかくだから湯畑から湧いているお湯を味わってみたいですよね。そんな時におすすめなのがこちらの千代の湯です。

白旗の湯や、地蔵の湯と違って、湯畑の湯は提供している宿も多いので、宿泊施設の湯が湯畑源泉であれば、無理に来なくてもいいかなとも思いますが、湯畑源泉は草津温泉の中でも特に当たりが柔らかいお湯と言われて好きな人も多いので味わってみましょう。

湯船の大きさや施設自体は、先に紹介した2つの施設に比べてコンパクトです。湯船も3人くらいでMAXですね。白旗の湯や、地蔵の湯と異なり、脱衣所と浴槽は扉で区切られているので、気持ち的には楽だと思います。

また、千代の湯では、決まった時間に草津の伝統の入浴法「時間湯」の体験もできるようになっています(有料)。

脱衣所の様子。
浴室の様子。夜の暗さと煙で見にくいですが…。
千代の湯では、初心者向けの時間湯体験をやっています。こちらは有料。

※インスタグラマーさんより内部の様子です。

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草津温泉 共同浴場『千代の湯』 観光客でも無料で入れる共同浴場♨️ 依然来た時にとてもお湯が良かったので再訪😊 . しかし…前に入った方がたぶん蛇口を回し過ぎて帰り、源泉がドバドバと注がれてたので激アツで足をつける事する出来なかった😢 (排水も追いついてなくて洗い場もあふれる寸前😨) せっかく来たので妹と、まずは排水口に貯まったお湯を流してしまい、それから水道水を洗面器でバケツリレー方式で入れて何とか入る事が出来たけど長湯はとても無理で少し残念でした😟 . 共同浴場は特に観光客は入らして頂いてるので、次入る人が気持ち良く入れる用考えてマナーを守って入らないとって思いました。 #草津温泉#共同浴場#千代の湯#温泉#源泉 #源泉かけ流し#onsen#無料#温泉大好き #群馬#群馬大好き#湯畑源泉#マナー

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名前 千代の湯
入浴料 無料
営業時間 5:00~23:00(清掃時間を除く)
混浴の有無 完全に男女別
住所

共同浴場の敷居が高い人に特におすすめの入浴施設

いきなり共同湯に行くのはちょっと敷居が高い…。ルールとかもよく分からないし…という方は、有料の入浴施設がおすすめです。これらは「草津三湯」という名称で、ちょいな三湯めぐり手形」という割引手形を提供していたりします。こちらを使うと三湯合計2100円が、1600円になります。

合わせ湯、露天風呂などが楽しめる、大滝乃湯

とりあえず、草津のおすすめ施設といえば「大滝乃湯」です。いわゆるスーパー銭湯感覚で一番行きやすい温泉施設にもかかわらず、すべての湯が100%源泉かけ流しですし、源泉はレアな煮川源泉と、万代鉱泉を利用しています。この煮川の湯は、源泉を空気にさらさず利用していることから新鮮で、マニアックなファンが多い源泉でもあります。内風呂は、煮川源泉と万代鉱泉のブレンド、合わせ湯は、浴槽によって煮川の湯と、万代鉱泉に分かれていたと思います。

大滝の湯には、大浴場、サウナ、露天、打たせ湯など一通りの施設が揃っており、温めの浴槽から身体を慣らして、最終的にかなり熱いお風呂まで入っていく合わせ湯まで用意されています。合わせ湯は特におすすめです。ぜひ一度体験してみて下さい。

施設内には、畳の休憩所や、飲食のできる施設も用意されており、半日楽しめる施設です。大滝乃湯は、湯畑からは少し離れていて徒歩で7分〜10分くらいの距離です。

後の2つは、施設の規模など、大滝乃湯に比べるとちょっと見劣りしてしまうかな…。

『大滝乃湯』公式Webサイトより

http://ohtakinoyu.com/

名前 大滝乃湯
入浴料 大人:900円 子供:400円
営業時間 9:00~21:00(最終入館は20:00まで)
混浴の有無 完全に男女別
住所

開放感抜群の巨大露天風呂、西の河原露天風呂

草津温泉の温泉街のハズレにある西の河原公園をさらに進んでいく奥にあるのが、西の河原露天風呂です。湯畑から歩くと20分くらいかかる感じですね。ちょっとしたウォーキングになる距離なのですが、ここに、とんでもなく大きな露天風呂施設があります。

写真の通り、すごい開放感です。一度体験してみるといいかなと。

ただ、この「西の河原露天風呂」は、本当に着替えと浴槽しかありません。シャワーや、カランなどの洗い場もなく、ギリギリかけ湯できるスペースが僅かにある程度です。ということで、ものすごく広いのですが、お湯に使って終わりです。休憩スペースもあまりないので、長く入っても15分くらいでしょうか。

開放感のある空間を楽しむための施設という感じで、純粋に温泉を楽しむ雰囲気ではちょっとないかな…と私は思います。

『西の河原露天風呂』公式Webサイト

http://sainokawara.com/

個人的には、だだっ広い贅沢な露天の空間は気持ちいいので、休憩スペースを作って、長居できるようにしてくれるといいのになぁと、行くたびに思います。もったいない。

源泉は、一番酸性度が強く、湯の色も透明度が高い万代鉱です。万代鉱は、明らかに他の源泉とタイプが異なるので、万代鉱を味わってみたい人は、こちらの西の河原露天風呂か、次に紹介する御座の湯のどちらかに行ってみると良いでしょう。

ちなみに、西の河原露天風呂に行くまでに通る、西の河原公園の景色は見ものです。あちこちから、モクモク煙が立って、じゃぶじゃぶ温泉が湧いている様子は、まるでこの用のものとは思えない景色です。夜もライトアップしていて幻想的(ちょっと怖い)なので、おすすめです。

脱衣所の様子。
西の河原露天風呂への道中。西之川原公園には、足湯のコーナーなどもあります。
西の河原公園は、あちこちに温泉が湧いていて、すごい光景です。
夜はライトアップされていて、キレイです。
夜の西の河原公園は、ちょっと不気味です。だが、それがいい。

名前 西の河原露天風呂
入浴料 大人:600円 子供:300円
営業時間 4/1~11/30 7:00~20:00
(最終入館は19:30まで)
12/1~3/31 9:00~20:00
(最終入館は19:30まで)
混浴の有無 男女別(毎週金曜日、男性風呂が混浴になる)
住所 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津521−3

2つの代表的な源泉が楽しめる御座之湯

最後が御座之湯です。広い座敷の休憩スペースがあるくらいで、特に変わったところがある施設ではないので、個人的には無理に行かなくてもいいかなと…。湯船などはそれなりの大きさなのですが、洗い場の数も少なく、サウナなどもありません。

特筆すべきことがあるとすると、2種類の源泉を同時に味わうことができることでしょうか。御座之湯では、湯畑源泉と、万代鉱源泉の2種類の浴槽を用意しています。先程紹介したとおり、草津を代表する湯畑と、他の源泉とちょと趣が異なる万代鉱に、同時に入れるので、お湯の違いを体感することができます。

『御座之湯』公式Webサイトより

http://gozanoyu.com/

名前 御座之湯
入浴料 大人:600円 子供:300円
営業時間 4/1~11/30 7:00~21:00
(最終入館は20:30まで)
12/1~ 3/31 8:00~21:00
(最終入館は20:30まで)
混浴の有無 完全に男女別
住所 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津596−13

公的には開放されていない、共同浴場

実は、観光客も入れる地元住民用共同浴場

草津温泉では、一般の観光客に開放されている共同浴場は、白旗の湯・地蔵の湯・千代の湯ですが、それ以外にも16箇所の共同浴場があり、これらは住民用のものになっています。ただ、実際のところ観光客の利用を完全に断っているわけではなく、表向きオープンにしていないだけで、普通に利用させてもらうことが可能です。

その代わり、利用時は、先程お伝えしたとおりマナーを厳守して利用することにしましょう。また、地元住民の方が入られていたら、挨拶も欠かさないようにしてください。

私達のマナーが悪いと、利用が禁止になってしまうかもしれません。

そんな感じで、ちょっと気をつかってしまう地元住民用の共同浴場ですが、その中でも、入りやすいもの、おすすめの2箇所をピックアップして紹介します。

長寿の湯

長寿の湯は、草津温泉の中心湯畑から徒歩6分ほど、旅館街を抜けて坂を登った先にある共同浴場です。こちらは、建物が新しくキレイで、浴槽も程よい広さがあります。浴槽と脱衣所も扉で別れており安心。源泉は湯畑源泉で、草津温泉のスタンダード。同じ、湯畑源泉の共同湯の千代の湯よりも、全体的に明るくキレイで浴槽も広く(4人くらい入れるキャパでしょうか)、利用しやすい共同湯です。ビギナーの方は、こちらに挑戦してみるといいでしょう。湯畑からも少し距離があるため、総じて空いています。

※インスタグラマーさんより内部の様子です。

煮川の湯

煮川源泉という、レアな源泉を引いている共同浴場です。こちらの源泉自体は、先に紹介した大滝乃湯でも味わうことは可能ですが、ブレンドなし、源泉から極近で新鮮そのものの湯に入れるのが嬉しいです。ただ、そのため温度はかなり熱いです。

また、建物も風情があり、扉を開けると階段が地下に続いていて10段ほど降りたところに扉が現れ、脱衣所になります。脱衣所と、洗い場&湯船は扉で別れていますが、洗い場と湯船のスペースはかなり狭いです。湯船も3人ほどで満員感があります。

狭めの共同浴場ですが、煮川の湯のファンが多いことや、湯畑からさほど遠くないこともあって、結構利用者がいらっしゃいます。そのため、こちらを利用するときはできれば1名で訪れるようにしましょう。3人以上で向かうと確実に迷惑です。本来、住民用の共同浴場に、もらい湯をしているという感謝を忘れずに。

※インスタグラマーさんより中の様子です。

名前 長寿の湯
入浴料 無料
営業時間 24時間(清掃時間を除く)
混浴の有無 完全に男女別
住所
名前 煮川の湯
入浴料 無料
営業時間 24時間(清掃時間を除く)
混浴の有無 完全に男女別
住所 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津583

惜しみなく、観光客に最高のお湯を提供している草津の素晴らしさ

以上、紹介したように、草津温泉の共同浴場の素晴らしさは、他の温泉地域と比べてもトップレベルです。特徴的なのは、共同浴場の中でも特に泉質の良い湯で、観光拠点からアクセスの良い共同浴場を惜しみなく観光客に無償提供している点です。確かに、住民用で19箇所の無料共同浴場があるものの、シンプルに質の良いお湯を楽しみたいのであれば、公式に開いている「白旗の湯」「地蔵の湯」「千代の湯」の3つを回れば十分と言えます。

それ以外にも、格式の高い有名旅館の多くが立ち寄り湯を歓迎しているところです。他の温泉地ではこういった宿は宿泊客以外は内湯を閉じていることが多いんですよね。「泉質第一主義」を標榜する草津温泉の一貫した姿勢と、開かれた姿勢に感動を覚えます。私たちも、観光客としてマナーを守ってこの素晴らしい温泉文化が続いていくように応援していきたいですね。

この記事を書いた人

山田 竜也
温泉大好きフリーランスです。一年のうち結構な割合で、温泉か山にいます。専門分野はWebマーケティング分野。社会学、哲学、経済学など大好き。コンサルティング、広告運用、Web管理の他、自分の所有するメディアからの広告収入、セミナー講師、著書印税、イベント売上など10種類くらい収入源を作っていろいろ実験中です。ペンネームで本もいろいろ書いてます。

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