こんにちは。竜也です。読んでいただいて、ありが湯ございます。
湯田川温泉の共同湯、正面の湯に行ってみたのでレポートです。
・2022年9月25日訪問
この時は、湯田川温泉の九兵衛旅館別館 珠やに宿泊していたのですが、せっかくなので共同浴場にも行ってみようということで正面の湯にも入ってみました。
九兵衛旅館宿泊のレポートはこちら
湯田川温泉はバス停からすぐ
正面の湯の場所ですが、名前の通りというべきか、湯田川温泉の中心地にどーんと構えています。
バス停からもすぐですし、今回私がとまった九兵衛旅館 珠やからもものすごく近い(ほぼ隣に近い)距離にあります。
湯田川温泉の歴史と源泉の状態をおさらい
湯田川温泉の歴史は、約1300年ほど前、西暦712年に遡ります。温泉傷を癒やしている白鷺をみつけたのが始まりとされます。そのため、旅館名にも「白鷺軒」「鷺見屋」など鷺の名前がついた宿が散見されます。
場所は、山形県の鶴岡市にあり「鶴岡の奥座敷」と呼ばれており、キー駅となる鶴岡駅からはバスで25分ほどの距離にあります。バスの本数は決して多くないのですが、時間をしっかり調べて動けば問題ないでしょう。場合に寄ってはタクシーを使ってしまうのもありです。鶴岡駅は小さい駅なのですが、駅には付近の銘菓を揃えたお店もありバスや電車が来るまでの時間を潰すこともできます。
話は戻りまして湯田川温泉ですが、温泉地としては小規模です。共同湯の数は2件、温泉宿は8件のみで、こじんまりとしています。散歩すると主要なエリアはあっという間に端から端まであるけてしまいます。
湯量は豊富で、温泉の泉質は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉」で、ほとんどの宿が共通の「湯田川1号泉」を利用しているのではと思います。(例外がありましたら詳しい方教えて下さいませ)
泉質については、後ほど詳しく触れます。
ちょっと癖がある正面の湯の入り方
では、さっそく「正面の湯」に向かってみましょう。
こんな感じで瓦屋根の大変味のある建物です。
もう一つの共同浴場の「田の湯」は写真の通りかなり地味。観光で来た場合はやっぱり正面の湯に入りたくなってしまいますよね。先に断っておくとお湯の質はどちらも同じです。観光客の多くが「正面の湯」に向かいそうなことを考えると、静かに入りたい場合は「田の湯」が狙い目なのかもしれませんね。ただ、田の湯は地元の人がよく利用する共同湯みたいなので、もしかすると場合によってはもっとにぎやかなのかもしれません。
湯田川温泉の宿に宿泊している場合の利用方法
さて、「正面の湯」の利用方法(「田の湯」も一緒です)ですが、ちょっと特殊です。まず施設には常駐の管理人がいません。そして扉はオートロック式。電子キーで扉を開けて入る仕組みになっています。意外とハイテクです。
開けて入ると扉にロックが自動的にかかります。出る時は、内側からは自由に開けられるようになっていて、一度出ると戻れない仕組み。
ということで、電子キーを入手しなくてはいけません。
私は今回、九兵衛旅館別館珠やに宿泊していたのですが、その場合は宿の人に「正面の湯にはいりたいでーす」と声をかけます。そうすると、電子キーを持って、共同浴場まで同行して開けてくれます。宿泊者は料金は無料。
宿の人を歩かせてしまうので、ちょっと申し訳ない感じもするのですが、堂々と依頼しましょう。珠やの場合は、すぐとなりなので楽ですが、ちょっと離れている旅館だと大変そうですね…。少なくとも、私の場合は嫌な顔はされず快く同行して鍵をあけてくれました。
湯田川温泉に宿泊しないで利用する場合の利用方法
宿泊なしで、湯田川温泉に立ち寄り湯をされる場合は、「正面の湯」から2、30メートルほど離れたところになる船見商店さんで、料金を支払って宿泊者の場合と同様施設まで同行してもらって開けてもらいます。料金は200円。とってもリーズナブルです。
仕組み的に、お店の人に歩く手間をかけてしまって申し訳ない!と思ってしまいますね。私は気が小さいので。
正面の湯の泉質を詳しく
さて、鍵を開けてもらったらさっそく正面の湯へ…。扉を入って小さな脱衣スペースがあって、扉を開けたら即浴槽です。4〜5人くらいは入れるサイズ感でしょうか。
お湯の注がれる量とペースはかなり激しく、源泉かけ流しとしてはすばらしいものがあります。
洗い場的な感じでカランのスペースが4箇所ほどありましたが、実際は浴槽のお湯をすくって、身体や頭を洗う使い方がスタンダードだと思います。
とにかく、この投入量は最高ですね。
正面の湯の泉質ですが、溶存物質の合計が1kgあたり1,169mg。泉質名は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉」になります。phは8.6で、強すぎない程度にはアルカリ性です。
上位の成分をリストアップしていくと以下の通り
- 硫酸イオン:694.8mg
- ナトリウムイオン:207.8mg
- カルシムイオン;148.0mg
このあたりが主力です。
その他に…
- メタケイ酸:40gm
で、そこそこその美容成分ありです。
特に成分のボリュームが多いのが硫酸イオンとナトリウム、カルシウムイオンなので、傷や皮膚の荒れ、皮膚病によさそうな成分ですね。他にも、高血圧や動脈硬化・脳卒中にも効果的な泉質です。ナトリウムの温まり効果も期待できるので、かなり万能感のある温泉です。溶存物質がぎりぎり1,000mgを超えるくらいなので、そこまで湯の成分が強すぎず湯あたりが全く起きないとは言わないですが、起きやすいタイプの湯でもなさそうで、安心して何度も入浴できます。
お湯は、無色透明無味無臭(MTMM)で、湯の花も見かけられず、味もまったくなしです。澄んでいるけどアルカリ成分や硫酸イオンのせいか、トロリとした浴感があります。
ちなみにに、私が泊まった「九兵衛旅館別館 珠や」は、こちらの「正面の湯」と全く同じ源泉を利用してるのですが、珠やが「加温あり(たぶん季節によって)」なのに対して、「正面の湯」は加温、加水、消毒なしの正真正銘100%源泉かけ流しになります。湯量もすごいので、徹底的にこだわるなら「正面の湯」は入って損なしでしょう。
ただ、9月下旬に私が訪ねたときには、「珠や」のお湯も「正面の湯」のお湯も違いを感じませんでしたね。よほどのマニアじゃないと違いがわからないかも。そもそも同じ源泉ですしね。
加温がない分、もしかすると冬場はぬるく感じるかもしれませんね。源泉温度は40℃〜44℃と低めでもあるので。
総評:共同湯としてはトップレベルに素晴らしい泉質
「正面の湯」のお湯の提供状況は、パーフェクトです。そして温泉の成分も素晴らしい。ぜひ入ってほしい共同湯です。
一方で、そもそも湯田川温泉の温泉の提供状況はどこの宿でも良好なので、宿に宿泊している人にとっては、わざわざ共同浴場に足を運ばなくても、宿のお湯で十分かもしれません。源泉も一緒ですしね。少なくとも、それなりに温泉を渡り歩いている私でも違いが感じられなかったので…。
宿泊客にしてみると観光気分で行ってみるくらいの気持ちがよいかなと。車などで旅の途中に立ち寄る人には、超絶おすすめ。「正面の湯」はそんな温泉ではないかと思います。
今日も良い温泉を、ありが湯ございました!
湯田川温泉はいいぞ。
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