こんにちは。竜也です。読んでいただいて、ありが湯ございます。
小野川温泉の共同湯、滝の湯と尼湯に行ってみたのでレポートです。
この時は、小野川温泉の吾妻荘さんに宿泊していたのですが、せっかくなので共同湯の上の湯にも足を運んでみました。
吾妻荘の宿泊のレポートはこちら
小野川温泉には、滝の湯と尼湯という2つの共同浴場があります。以前は3つの共同浴場があったようですが、一つが閉業となり現在は2箇所営業しています。
・2022年10月4日訪問
滝の湯は、バス停からすぐ
滝の湯の場所ですが、小野川温泉バス停から温泉街とは逆の方向に少し歩いたところにあります。温泉街からは少しだけ外れたところですね。
比較的近くに、飲泉所もあります。
少し奥まったところにあるので、見逃さないようにしましょう。
尼湯は、温泉街の中心にあります。
尼湯の場所は、温泉街のど真ん中。少し広場になっているようなところにあります。旅館や、饅頭屋産などにか揉まれていて、すぐ近くには小町の休み石もあります。
目立つ建物なので、普通に歩いていれば、まず見つかるでしょう。
滝の湯、尼湯の料金について
滝の湯、尼湯ともに利用料金が必要です。温泉のエリアによっては宿泊客は、利用料が無料というケースもあるのですが(同じ山形だと肘折温泉や蔵王温泉など)、小野川温泉の場合は、そういった特典はないようです。
管理人は、基本的には不在で、自動販売機で入浴券を買って、箱に券を入れるスタイルです。
滝の湯の値段が250円、尼湯の値段が200円で、価格が異なるのが謎ですね。
湯田川温泉の基本的な泉質解説
小野川温泉の湯使いの状態ですが、現在小野川温泉には2つの共同浴場(昔は3つだったらしい…)と13の宿があり、すべての温泉が源泉かけ流し(100%源泉かけ流しではない)という素晴らしい状態です。
小野川温泉は、いわゆるハズレのない温泉と言えます。
小野川温泉で主力となる源泉が「協組4号源泉」。小野川温泉では、複数ある源泉を一つにまとめて管理しています。成分がかなり濃い源泉で高温なのですが、共同浴場や各旅館がこちらのお湯を主力源泉として利用しています。
そういう意味では、泉質はどこで入っても類似しており安定しています。
旅館や共同湯ごとの個性の違いが少ないということでもあるのですが…。
ただ、先述したとおりこちらの源泉は非常に熱い、約80度(!)近い温度のため、実際の湯船では加水するか、温度約35度の「協組5号源泉」をあわせて温度を下げて提供するという形をとっています。つまり、小野川温泉の源泉は、「協組4号源泉」「協組5号源泉」の2源泉でほぼ賄われているということです。
溶存物質の合計量を比較すると、「協組4号源泉」が約4,400mg、「協組5号源泉」が約3,800mgで、5号の方がそこそこ薄いものの、そこまで変わらない?一応、4号源泉に5号源泉をブレンドすればするほど、成分が薄まっていくという感じです。
これらを踏まえて、小野川温泉の温泉の提供パターンは3種類。
- 「協組4号源泉」しか使っていないすごく濃い温泉
- 「協組4号源泉」と「協組5号源泉」のブレンドの100%源泉かけ流し(割合は6:4くらい?)の温泉
- 「協組4号源泉」に井戸水などを加水した温泉
1のパターンはかなりレアなのですが、調べてみると「うめや旅館」さんが熱交換システムを使って実現しているようです。ただ、Webサイトを見ると一人宿泊は受け付けていなそう…。こんど日帰り温泉で利用してみよう。
ということで1は例外で、殆どの旅館は2か3。井戸水で加水することに関しては、人によっては、100%源泉かけ流しとは言えない!と思われるかもしれないですが、正直、温泉の濃度については、2と3は極端には変わらないのかなと思ってしまいます。そこまで大量に水を投入するわけではないので。
代表的な「協組4号源泉」の泉質分析
では、上記も踏まえながら、小野川温泉の泉質を詳しく見てみましょう。代表的な源泉の「協組4号源泉」の分析表になります。
泉質名は、「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」。
まずPHは6.8で中性になります。酸やアルカリで肌が溶けることなく、刺激が少ない温泉です。溶存物質の合計は4,456mgで、療養泉の基準1,000mgの4倍以上の濃ゆい源泉です。
さらに成分を掘り下げていきましょう。まず目につくのが圧倒的な塩類成分。ナトリウムの1,010mgと、塩素イオンの2,373mg。この二つで3,373mgなので、溶存物質の中でかなりのボリュームを占めます。塩分豊富ということで温まりやすく、保湿しやすい温泉です。神経痛、冷え症、関節性リウマチなどの症状によい湯です。
次に目につくのがカルシウムイオンの354.7mg。カルシウムは鎮痛効果があるので傷に良さそうです。他に、高血圧症、動脈硬化、脳卒中、慢性関節リウマチに良いとされています。
その他で目立つものは、硫酸イオン70.4mg、炭酸水素イオン103.6mg。硫酸イオンについては、切り傷ややけどなど、傷に効果があり、先程のカルシウムと合わせて鎮静採用も期待できます。湿疹やニキビなど肌のトラブルにもよいです。
炭酸水素イオンは、肌の角質を除去したり、毛穴の汚れをとる他、飲泉により痛風や糖尿病の改善効果があるとされています。
さらに「含硫黄」ということで、少ないながら硫黄の成分も含まれています。硫黄は、アトピー性皮膚炎の改善 、糖尿病や高血圧の改善が期待できますが、小野川温泉はちょっと少ないかな…。
最後に、美肌の湯としては外せない成分、保湿効果が高く、肌の新陳代謝を促進してくれるメタケイ酸ですが66.3mg。しっかり入っていますね。
ラジウム温泉としてはどうなの
小野川温泉は、ラジウムを含んでいるという記述を見かけます。高温の温泉でのラジウム含有量が日本一という謳い文句も見かけましたが、今ではラジウム量が少ないという記述も見かけました。実際はどうなのでしょうか…?
このあたりは、私は実態がわからないのでノーコメントです。(詳しい方がいたら教えて下さい)
ただ、ラジウムは効果を得ようとする場合、気化したものをある程度長い時間吸入する必要があります。ラジウム温泉で有名な新潟の栃尾又温泉ですと、ぬる湯で平気で2時間など長時間浸かってラジウムを呼吸や全身から取り込みます。同じくラジウムで有名な鳥取の三朝温泉では、ラドン熱気浴という方法でラジウムを身体に取り込むようにしています。
小野川温泉では、こういった仕組みがないので、仮に小野川温泉にラジウムが含まれていても、そこそこ温泉に浸かるだけでは栃尾又や三朝のような効果は期待できないのではないかと思います。
なので、小野川温泉はラジウム目当てで行く温泉ではなく、おまけでラジウムが入ってたらラッキー!くらいの気持ちでみておくのがよいかと。
滝の湯と尼湯の泉質
これらも踏まえた上で、小野川温泉の2つの共同浴場の泉質をくらべてみます。
まず、滝の湯ですが、こちらはおそらく先程の2番、「協組4号源泉」と「協組5号源泉」のブレンド100%かけ流しだと思われます。
100%源泉かけ流しにこだわりたい人は、滝の湯ですね。
一方で、尼湯の方は、1番の「協組4号源泉」に加水されているスタイルだと思います。100%源泉かけ流しマニアの方は、あー…加水か…と、思われるかもしれませんが、もともとの源泉がかなり濃いので、個性は全く失われていません。
少なくとも、私が入った浴感としては滝の湯より、尼湯の方が湯の個性を感じるくらいでした。数値の上では、滝の湯のほうが濃そうなんですけどね。不思議です。
なので、あまり気にせず気が向いた方の共同湯に行ってもよいのかなと。
滝の湯の中の様子
今回、実はチェックインする前に、小野川温泉の二つの共同浴場にも入ってみました。まずは、バスターミナル近くの「滝の湯」から入り口に自動販売機があって、そこで入浴料の250円を払って入る仕組みです。管理人などはおらず無人ですね。
中に入ると、脱衣所はかなり狭くて2〜3人で窮屈さを感じる空間です。お風呂のスペースは、洗い場が3つあるこじんまりとした共同浴場です。
こちらもうっすらと硫黄の香りがしますね。
お湯は、おそらく「協組4号源泉」を「協組5号源泉」のブレンドではないかと思います。文句なしにいいお湯です。トクトクと新鮮なお湯が注がれ続けています。
お湯の温度も入りやすい温度ですね。41度くらいでしょうか。
尼湯の中の様子
次は尼湯です。尼湯は、温泉街の中心にどーんと建物があります。見た目的にも風情があっていい感じです。
こちらは、扉を入るとやはり自動販売機があってチケットを購入するスタイル。滝の湯と同じで無人です。ただ、料金が少し安くてこちらは200円なんですよね。滝の湯の250円と何の差なんでしょうね。不思議な料金差です。
尼湯は、滝の湯と違って「協組4号源泉」一本勝負!その代わり温度が熱いので加水している感じです。
滝の湯に比べると、尼湯の方が湯船の温度は熱かったです。加水の量にもよるのかもしれませんが、基本的には尼湯のほうが熱めのお湯だと思って利用したほうがよいでしょう。温度は42度くらいでしょうか。
尼湯もいいお湯でした。個人的には、滝の湯より尼湯のほうがお湯の個性を感じたんですよね。加水しているはずなんだけどね。
あと、建物の年季というか味があるのも尼湯かな。脱衣所と、浴室がつながっているのもそれっぽくて良いです。
そういった味わいが好きな方は尼湯おすすめですね。
ということで私は尼湯推しですが、みなさんはどうでしょうか。
人が多くて撮影できなかったのでInstaより…。
総評:共同湯としてはすばらいが…
小野川温泉の共同湯ですが、共同湯のスペックとしてはかなり素晴らしいです。利用料が滝の湯が200円、尼湯が250円と良心的なのはよいですね。
尼湯は加水はありそうですが、もともとの源泉の濃度が高いので気にならず、お湯の提供状態も素晴らしいです。
あえて、贅沢を言えば、各地の共同湯は源泉が独自源泉のことが多いのですが、小野川温泉は、「協組4号源泉」という小野川温泉全体の共同管理の源泉を使っていることでしょうか。
つまり、小野川温泉のどこかの宿に泊まっていれば、そちらの宿の泉質と大きく変わらないということなんですよね。なので、私のように、共同湯大好き人間でないとわざわざ足を向けなくてもいいのかも…というのが正直なところです。
それでも、このような素晴らしい共同湯を維持して、一般にも開放してくれている小野川温泉さんは素晴らしいですね。
今日も良い温泉を、ありが湯ございました!
小野川温泉はいいぞ。
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